この言葉、知っていますか?
「うだつが上がらない」の『うだつ』の部分、そういえば何を指してるんだろう…
言葉自体は聞いたことがあっても、語源まで考えたことはなかなかありませんよね。
実はこの言葉、意外なところから生まれた言葉なんです。
その由来を知ると、今の意味とのギャップに驚くはずです。
気になったので調べてみました。この記事でわかるのは…
この記事でわかること
- 「うだつ」の正体は実在する建築部材
- なぜ「出世できない」という意味になったのか
- 今も見られる「うだつの上がる町並み」
聞いたことはあっても、由来まで知るとちょっと見え方が変わってくるものです。
読み終わる頃には、誰かに話したくなる小ネタが手に入っているはずですよ。
「うだつが上がらない」の意味とは?
まずは、この言葉の基本的な意味から見ていきましょう。
「うだつが上がらない」とは、地位や生活が向上しない状態を表す言葉です。
出世できない、金銭的に恵まれない、という意味でも使われます。
「あの人はいつまで経ってもうだつが上がらない」のように使います。
自分や他人の状況を、控えめに伝える際に使われることが多い表現です。
なんとなく「パッとしない」くらいの意味だと思ってた…
大まかにはその理解で間違いありません。
ただ、この言葉の面白さは意味そのものよりも、由来にあります。
「うだつ」って結局何のこと?
ここからが本題です。
「うだつ」とは一体何なのでしょうか。
「うだつ」とは実在する建築部材の名前です。
その正体には、大きく2つの説があります。
説①「卯建(うだつ)」=隣家との防火壁
一つ目は、江戸時代の町家に見られた「卯建」という設備です。
隣り合った町家の境目、屋根の両端に設けられた小さな防火壁のことを指します。
火事が隣家から燃え移るのを防ぐための、実用的な設備でした。
時代が進むにつれて、この卯建は次第に装飾的な意味合いを強めていきました。
つまり、卯建を上げられるかどうかが、その家の経済力を示すバロメーターになっていったのです。
説②「梲(うだつ)」=棟木を支える柱
もう一つの説は、建物の骨組みに関わるものです。
こちらの「うだつ」は、屋根の最も高い部分にある棟木を支える短い柱のことを指します。
この柱は、上から棟木に押さえつけられているように見えます。
その様子から、「頭が上がらない」「出世できない」という状態にたとえられるようになった、という説です。
さらに、建物の骨組みそのものを完成させられないことから、経済力や甲斐性のなさを表す言葉に転じたという説もあります。
いずれの説にも共通しているのは、「うだつ」が実際に存在する建築部材だったという点です。
なぜ「出世できない」という意味になったの?
2つの説を踏まえて、意味が定着した流れを整理しておきましょう。
結論
立派な「うだつ」を設けるには相応の費用と実力が必要でした。そこから「うだつが上がらない」が「生活や地位が向上しない」という意味の慣用句として定着したと考えられています。
建築部材としての「うだつ」が、いつしか人の生き方を表す言葉として使われるようになった、というわけです。
ただの慣用句だと思ってたら、まさかの建築用語だったとは
日常でよく聞く言葉の裏に、こんな具体的な背景があるとは意外ですよね。
今も見られる「うだつの上がる町並み」
実はこの「うだつ」、今でも実物を見られる場所があります。
「うだつの上がる町並み」として知られる地域が、岐阜県美濃市や徳島県美馬市などに今も残っています。
いずれも江戸時代から明治時代にかけて、商業で栄えた町です。
当時の商家が競うように立派な卯建を設けた結果、独特の町並みが形成されました。
観光地としても人気で、実際に「うだつ」を間近で見られるスポットになっています。
言葉の由来を知ってから訪れると、また違った視点で町並みを楽しめそうです。
「うだつ」は漢字でどう書く?読み方も紹介
ここで、「うだつ」の表記についても触れておきましょう。
「うだつ」を漢字で表すと「卯建」または「梲」となり、どちらも「うだつ」と読みます。
「うだつが上がらない」はひらがなで書かれることがほとんどです。
そのため、漢字表記を見る機会は少ないかもしれません。
「梲」なんて漢字、初めて見たかも
「梲」は日常生活ではほとんど使われない漢字です。
読めなくても無理はありません。
建築や歴史の専門的な文章の中で、たまに見かける程度の漢字です。
普段の生活では読めなくても、特に困ることはないでしょう。
こうした漢字も、由来を知る過程で自然と目に触れる機会が増えていきます。
似たような由来を持つ言葉はある?
「うだつが上がらない」のように、建築や道具に由来する言葉は他にもあります。
「埒が明かない」は馬場を囲う柵、「几帳面」は家具の几帳の面取りが由来とされています。
このように、日常の道具や建築物から生まれた慣用句は意外と多くあります。
身の回りのものが、実は言葉の成り立ちに深く関わっているのは興味深いポイントです。
こうした由来を一つずつ調べていくと、当時の暮らしぶりが見えてくることがあります。
「うだつが上がらない」も、まさにその代表例といえるでしょう。
いつから使われている言葉?
最後に、この言葉がいつ頃から使われているのかも見ておきましょう。
「うだつが上がらない」という表現は、江戸時代後期にはすでに使われていました。
1827年の読み物『珍説豹の巻』に、その使用例が見られます。
その後、1877年の歌舞伎『勧善懲悪孝子誉』にも登場しています。
江戸時代から明治にかけて、広く使われていたことがわかっています。
200年近く前からある言葉が、今も普通に使われてるってすごいことかも
時代を超えて使われ続けている言葉には、それだけ実感がこもっているのかもしれませんね。
「うだつが上がらない」に関するよくある質問
「うだつが上がらない」とはどういう意味ですか?
地位や生活が向上しない、出世できない状態を表す言葉です。自分や他人の状況を控えめに伝える際に使われます。
「うだつ」とは何ですか?
建築部材の名前です。隣家との境に設けられた防火壁「卯建」、または棟木を支える柱「梲」を指すという2つの説があります。
なぜ「うだつが上がらない」が「出世できない」という意味になったのですか?
立派な卯建を設けるには相応の費用が必要でした。そこから、生活や地位が向上しない状態を表す言葉として定着したと考えられています。
「うだつの上がる町並み」はどこで見られますか?
岐阜県美濃市や徳島県美馬市などに、江戸時代から明治にかけての町並みが今も残っています。
「うだつが上がらない」はいつから使われている言葉ですか?
江戸時代後期にはすでに使われており、1827年の読み物にその使用例が確認されています。
「うだつ」を漢字で書くとどうなりますか?
「卯建」または「梲」と書き、どちらも「うだつ」と読みます。防火壁の意味なら卯建、支柱の意味なら梲が使われます。
建築物に由来する言葉は他にもありますか?
あります。「埒が明かない」は馬場の柵、「几帳面」は几帳の面取りが由来とされるなど、他にも見られます。
まとめ
まとめ
- 「うだつ」は実在する建築部材(防火壁説・支柱説の2つの説)
- 立派なうだつを設けられるかが裕福さの象徴だったことから今の意味が定着
- 岐阜県美濃市・徳島県美馬市に今も「うだつの上がる町並み」が残る
「うだつが上がらない」という言葉も、こうして由来をたどってみると、江戸時代の暮らしぶりが見えてくる興味深い表現でした。
知っていると、ちょっと物知りな気分になれますよね
次にこの言葉を耳にしたときは、ぜひ今回知った由来を思い出してみてください。
もし機会があれば、美濃市や美馬市の「うだつの上がる町並み」を実際に歩いてみるのもおすすめです。
言葉の由来を知った上で本物の「うだつ」を眺めると、また違った実感が湧いてくるはずです。
言葉ひとつからでも、こうして歴史や文化とのつながりが見えてくるのは、雑学ならではの面白さですね。
また面白い由来があったら、こっそり教えてくださいね